一本の電話

 突然、昔の友人から電話がかかってきて、お金を貸してほしいと言われました。正直それほど親しくなかったというか、一年ぶりぐらいに会うので、お金を貸すのもどうかと思いましたが話を聞いてみると、電気が止められて生活できないとのことです。実家暮らしの身分なので、そんな漫画のような生活をしている人がいると知り驚き、電気代はたった1023円で、あまりにも不憫だったのでお金を貸すことにしました。
 ここはかっこよく一万円ぐらい渡して、返すのはいつでもいいよと言ってみたかったのですが、あいにく手持ちが1100円しかなかったので全部渡ししました。
 よく考えてみると、一人暮らしといっても親からは仕送りがあるだろうし、どんな生活をすると電気が止められるのかが不思議です。